大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(ネ)411号 判決

本訴繋属中前記建設省告示一四一八号が、昭和四七年一月一日から適用される同省告示二、一六一号によって改正され、本件土地の賃料統制額が引き上げられたことは当裁判所に顕著である。しかし、地代家賃統制令による賃料統制額は最高額に過ぎないから、予め、統制額が引き上げられたときは当然その額まで賃料を増額する旨の合意があるような特別の事情の認められない限り、あらためて賃料増額の意思表示をしなければ賃料増額の効力は生じないと解するのが相当である。そこで、被控訴人側で控訴人に対し昭和四七年一月一日以降賃料増額の意思表示をしたと見得るか否かにつき按ずるのに、被控訴人らは控訴人に対し、前叙のとおり本件増額賃料確認の訴を提起した後も、記録によれば引き続き右訴を維持していることは認められるが、控訴人側に当初の賃料増額の意思表示が地代家賃統制令により無効であることを指摘された後も、地代家賃統制令が本件土地の賃料に適用されない旨の見解を固執して、控訴人側から資料を提示されても昭和四七年度における本件土地の固定資産評価額、固定資産税額、都市計画税額を主張せず、当裁判所の職権による和解勧告の期日にも出頭を拒んだ。このような場合右評価額、諸税額の如何は事情変更の事情に止まらず、賃料増額の自由に対する制約を左右する要件事実であるから、これを主張しない賃貸人が賃料増額の意思を明示しない場合に増額賃料確認請求訴訟を維持しているとの一事から引き続き賃料増額の意思表示をしているものと解することは困難である。してみれば、昭和四七年一月一日以降被控訴人ら側が明示の賃料増額の意思を表示したことの主張のない本件においては、被控訴人側があらためて賃料増額の意思を表示したとは認めることができず、従って、賃料増額の効力はこれを肯認し難い。

(吉岡 園部秀 森)

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